ネタ帳 統合版(164題材・15分野)は素材集です。
素材は、場面ごとの"型"に流し込んで初めて武器になります。
本書は8つの場面それぞれに、型と実演台本をセットで用意しました。
台本の題材番号は差し替え可能です。ネタ帳巻末2の逆引き索引(またはA3全体マップの速見表)で
「言いたいこと」に合う題材を選び、同じ型に流し込んでください。
共通ルール(全台本に適用)
冒頭の仕事は「この話は自分に関係がある」と思ってもらうこと。
例え話を"問いの形"で投げると、聞き手の頭が勝手に動き出します。
「始める前に、ひとつ思い出してほしいことがあります。
自転車に乗れるようになった日のこと、覚えていますか。
何日も転んで、押さえてもらって、また転んで。
それがある日、ふっと乗れた。
そして乗れた瞬間から・・・なぜ乗れなかったのか、思い出せなくなった。
AIも同じです。今日うまく使えないのは、才能の問題ではなくて、
まだ"乗れる前の日"にいるだけなんですね。
今日はその、ふっと乗れる瞬間までの距離を、一緒に縮めていきます。」
「職人の世界に"段取り八分、仕事二分"という言葉があります。
仕事の出来の8割は、現場に入る前に決まっている、という意味です。
ここで質問です。
みなさんの毎日の仕事で、"現場に入る前"にあたる時間って、どこでしょうか。
・・・実は、それが今日のテーマです。
道具の使い方の前に、道具を持つ前の話から始めさせてください。」
書き出しは短い情景から。説明から入ると読まれません。
冷蔵庫の奥から、賞味期限の切れた瓶が出てきたことはありませんか。
買ったときは、ちゃんと使うつもりだったんですよね。
悪いのは瓶ではなくて、"見えない場所に置いた"こと、それだけ。
実はこれ、冷蔵庫だけの話ではないんです。
買ったまま開いていない教材、登録したまま開いていないツール。
今日は「見える場所に置く」だけで変わる話をします。
月に数百円。痛くないから、確認しない。
それが1年たつと、まとまった金額になっている。
サブスクの話・・・に見えて、実はお金だけの話ではありません。
"痛くない小さなもの"は、時間も、集中力も、同じ形で漏れていきます。
今日は、痛くない漏れの見つけ方の話です。
ここでの例え話の役目は説得ではなく、"いまの状態の意味を変える"こと。
言い聞かせず、短く置いて、相手に拾ってもらいます。
相手「3か月続けてるんですけど、何も変わらなくて」
「3か月、続いてるんですね。まずそこは事実として大きいです。
球根って、植えてから何か月も、地上には何も起きないんですよ。
気になって掘り返したら、そこで終わってしまう。
いま一番もったいないのは、掘り返すこと・・・つまり、やめることです。
確認したくなる気持ちごと、預かっておきますね。
ひとつだけ提案です。
成果の数字を見る日を、月に1回に決めてしまいませんか。
それ以外の日は、植えた記録だけつける。それなら続けられそうですか。」
相手「急にやる気がなくなって、自分でも情けなくて」
「それ、故障じゃなくてブレーカーだと思いますよ。
ブレーカーって、壊れたから落ちるんじゃなくて、
家全体を守るために"わざと"落ちる仕組みなんです。
落ちたということは、安全装置が正常に働いた、ということ。
だから責める場面ではなくて、確認する場面です。
同時にいくつの仕事に電気を流していたか、一緒に数えてみませんか。」
140字では例え話を"説明"できません。核心の1行だけ切り出します。
植物が枯れる原因で多いのは、水のやらなすぎではなく、やりすぎだそうです。
心配だから毎日あげる。根が呼吸できなくなる。
部下にも、子どもにも、自分にも、同じことをしていないか。
乾く時間が、根を伸ばす。
パソコンの更新、ダウンロードは済んでいるのに「再起動は後で」を押し続けて、古いまま使っていること、ありませんか。
本もセミナーも同じで、学び(ダウンロード)と行動が変わること(再起動)は別の工程。
今日、何かひとつ再起動するとしたら、どれでしょう。
あいさつは3秒で、お金もかからない。
返ってこなくても、損はしない。
続けていると、ある日から相手が先に言うようになる。
費用ゼロで始められる先行投資って、意外と足元にあります。
言い負かすと、その場は勝っても人は動きません。
例えで"別の見方"を差し出し、選ぶのは相手に任せます。
「その感覚、正しいと思います。丸ごと信用するものではないです。
私は、優秀だけど入社初日の新入社員だと思って付き合っています。
初日の新人に会社の全部は任せませんよね。
でも、教えたら覚えるし、任せられる仕事から任せていく。
それと、車の運転支援と同じで、便利でもハンドルからは手を放さない。
最後に確認するのは人間、という前提は変わりません。
"信用するかどうか"より、"どこまで任せてどこから自分が見るか"の線引きの話として、
一度だけ試してみる、というのはどうでしょう。」
「わかります。忙しいときに新しいことは増やせないですよね。
ただ、切れない包丁で料理を続けている状態かもしれない、とは思うんです。
切れない包丁って、力が要るぶん時間もかかるし、実は危ない。
研ぐ時間は仕事に見えないけど、研いだ後の全部が速くなる。
なので提案は"増やす"ではなくて、
いま一番時間を取られている作業をひとつだけ教えてください。
そこだけ、研げるかどうか一緒に見てみませんか。」
締めで新しい例えを出さないこと。冒頭の例えを回収すると、話が1本の線になります。
「冒頭の自転車の話に戻ります。
乗れるようになる前の日々って、本人には"転んだ記録"しか残らないんですね。
でも、転んだ回数が減っていくこと自体が、進歩の途中経過でした。
なので今日の宿題は、うまく使うことではありません。
今週、AIに1回だけ話しかけてください。転んで大丈夫です。
その1回の記録が、乗れる日への途中経過になります。
もしよかったら、試してみてください。」
家計簿の効果は、集計結果より「使う前に一瞬考えるようになる」ことのほうにある、と書きました。
だからきれいにつける必要はないんです。
今日から3日だけ、寝る前に1行。それだけ試してみませんか。
合わなければ、3日でやめて大丈夫です。
その3日ぶんの「一瞬考える」は、ちゃんと残りますから。
子どもには抽象語を使わず、"やったことのある体験"に全部置き換えます。
最後に短い名前をつけると、家でも思い出せます。
「雪だるま、作ったことある?
最初の玉って、小さくてなかなか大きくならないよね。
でも、ある大きさを超えると、ひと転がしでゴソッと雪がつく。
大きいほど、速く大きくなる。
お金にも、勉強にも、同じことが起きるんだ。
最初は増えた気がしない。そこでやめた雪玉は小さいまま。
転がし続けた玉だけが、あとから一気に大きくなる。
これを"雪だるまの法則"って呼ぶことにしよう。
今きみが転がしてる小さい玉、何かある?」
「九九って、意味を考えながら言ってる?
・・・言ってないよね。口が勝手に動く。
あれくらい体に入ってると、頭は次のこと・・・
文章題をどう解くか、に全部使える。
基礎練って、頭を空けるためにやるんだ。
サッカーのリフティングも、ピアノの指の練習も同じ。
考えなくてもできることを増やすと、考える場所が上に空く。」
音声は"ながら聴き"なので、冒頭で絵が浮かぶかどうかが全てです。
「こんにちは、[名前]です。
先日、渋滞にはまりまして。
で、渋滞の先頭ってどうなってるか、ご存じですか。
事故でも工事でもないのに起きる渋滞、実は先頭では、
みんな普通に走ってるんです。詰まってるのは後ろだけ。
誰か一人のちょっとしたブレーキが、後ろに波みたいに伝わって、
増えながら広がっていく。犯人はいないのに、渋滞はある。
・・・これ、職場の仕事の流れとそっくりだなと思ったんですね。
今日は"犯人のいない渋滞"の話、仕事版でしてみます。」
「こんにちは、[名前]です。
釣りをする方はわかると思うんですが、
釣りの時間のほとんどって、何も起きていないんですよね。
じゃあその時間は無駄かというと・・・というのが今日の話です。
営業の話にも、投資の話にも、たぶん子育てにもつながります。
最後までゆっくり、ながらで聴いていってください。」