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7つのそだてる力 心の枝

道具は変わる。
人は、そんなに変わらない

心が動く5つの土台・・・こころ・ちゅうい・ごほうび・なかま・ものがたり

新しい道具が、次から次へと出てきます。

AI、アプリ、便利なサービス。少し前に覚えたやり方が、半年でもう古い。追いかけているのに、追いついている感じがしない。「何を学べばいいんだろう」と、立ち止まる日があります。

わたしも、あります。しょっちゅうあります。

だから今日は、逆から考えてみたいのです。

変わっていくものではなく、変わらないもののほうを。

道具はこれからも変わります。でも、その道具を使う人間のほうは、そんなに変わっていません。うれしいと動きたくなる。疲れると続かない。誰かに見ていてもらえると頑張れる。石器時代から、たぶんずっと同じです。

つまり、人が動く仕組みを押さえておけば、次にどんな道具が来ても、そこそこ対応できるということです。

その仕組みを、5つに分けて持っておく。それがこの記事の中身です。

心が動く、5つの土台

むずかしい言葉を使わずに並べます。

  1. こころ・・・気持ちが動くと、体も動く
  2. ちゅうい・・・集中できる量は、思っているより少ない
  3. ごほうび・・・人は「すぐの小さな得」に反応する
  4. なかま・・・誰とやるかで、続き方が変わる
  5. ものがたり・・・意味がわかると、疲れにくい

この5つです。順番にいきます。

1. こころ・・・行動のスイッチは、いつも気持ち

「やらなきゃいけない」で動ける日は、そんなに多くありません。実際に人を動かしているのは、たいてい気持ちのほうです。

おもしろそう。くやしい。ほめられてうれしかった。あの人をがっかりさせたくない。

だから、続かないときに最初に見るのは「意志の強さ」ではありません。気持ちが動く入口が、その作業のどこかにあるかです。

なければ、作ってしまえばいい。好きな音楽をかけてから始める。仕上がりを見せたい相手を1人決める。それだけで、同じ作業の手ざわりが変わります。

2. ちゅうい・・・集中は、財布の中身と同じ

1日は24時間ありますが、集中できる時間はもっと短いです。しかも、朝いちばんが一番たくさん入っていて、夜には残りが少ない。財布と同じで、使えば減ります

減るものだと分かっていれば、打つ手は決まります。

集中力を鍛えるより先に、集中を漏らさない設計です。こちらのほうが、ずっと早く効きます。

3. ごほうび・・・遠い大きな得より、近い小さな得

人は、1年後の大きな成果より、5分後の小さな達成に反応します。これは弱さではなく、そういうつくりだというだけの話です。

だから、遠いゴールしかない計画は続きません。途中に、小さなごほうびを置きます。

ごほうびは、ぜいたくでなくていいのです。進んだ実感が見えることが、そのままごほうびになります。

4. なかま・・・「誰とやるか」は、やり方より効く

同じ勉強でも、一人の部屋と、誰かがいる場所とでは、続き方が変わります。人は、まわりの行動を見て自分の行動を決めるところがあるからです。

そして、いっしょにやる相手がいるときに効くのが、信頼です。ここでひとつ、覚えておきたい性質があります。

信頼は、ゆっくりたまって、早く失われる。

だからこそ、小さな約束を守ることに意味があります。5分の遅刻を連絡する。できないときに、できないと早めに言う。地味ですが、これが土台になります。

一人でやるしかない時期もあります。そのときは、「見てもらう相手」を1人だけ決めるだけでも違います。報告する相手がいると、行動は残ります。

5. ものがたり・・・「なんのために」がわかると、疲れにくい

同じ作業でも、意味がわかっているときとわかっていないときで、疲れ方がまるで違います。

意味は、立派でなくていいのです。

「これができると、来月の自分が楽になる」でも十分です。「あの人に見せたい」でも十分です。自分の物語の中に、その作業を置けるかどうか。それだけで、続く距離が伸びます。

5つは、順番に1周させる

5つを並べて終わりにすると、覚えられません。順番に回すものだと思ってください。

こころ → ちゅうい → ごほうび → なかま → ものがたり

新しいことを始めるとき、この5つを1周させておくと、始まりの摩擦がぐっと減ります。

今日からできる、ミニ実験5つ

読んで終わりにならないように、小さな実験を置いておきます。全部やらなくていいです。1つだけ選んでください。

  1. 5分スターター・・・5分だけやって、休けいする。始めるハードルを下げるための道具です
  2. 見える化シール・・・やった日にカレンダーへ印をつける。3日続いたら、自分にごほうびを1つ
  3. 友だちチェック・・・誰かと問題を出し合う。相手の良かったところを1つだけ伝える
  4. ワンフレーズまとめ・・・今日わかったことを1文だけ書く。長く書かないのがコツです
  5. 失敗カード・・・うまくいかなかったことを1枚に書いて、「次はこうする」を添える。週に1回だけ見返す

つまずいたときの、置き換え表

続かない理由は、だいたい似ています。責める代わりに、置き換えます。

つまずき置き換え
やることが多すぎて動けないいちばん大事な1つを、最初に終わらせる
完璧にやらなきゃ、と思って始められない5分だけ・6割で出す。走りながら直す
結果が遠くて、つまらない途中に小さな区切りと、休けいを置く
一人で抱えこんでしまう見てもらう相手を1人だけ決める

子どもやチームに関わる人へ

自分ではなく、誰かの行動を支える立場の人には、この4つが効きます。

どれも、相手の性格を変えようとしていません。環境と手順のほうを変えています。 それがいちばん、無理がありません。

おわりに・・・体の土台と、心の土台

先日、10代向けに「体の土台」の話を書きました。睡眠・食事・運動の3本柱で、順番は睡眠が先、という記事です。

この記事は、その対になります。体に土台があるように、心にも土台がある。そして心の土台は、こころ・ちゅうい・ごほうび・なかま・ものがたりの5つです。

道具は、これからも変わります。たぶん、今よりもっと速く変わります。

でも、この5つは変わりません。だから、追いかけるものと、腰を据えて育てるものを分けていいのです。新しい道具は追いかける。人の根っこは、育てる。

人生は、たとえ遠回りしても、いつでも今からリニューアルできます。

(秋元進吾)


今日、ひとつだけ

ミニ実験5つから、1つだけ選んでください。迷ったら、これで大丈夫です。

「5分だけやって、休けいする」



体のほうの土台は、こちらに書きました。

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「こころ」を細かく見る道具は、こちらです。

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