公開日: 2026-07-19
更新しました(2026年9月26日) 挿絵を入れました
こんにちは。秋元進吾です♟️
「ともだち将棋」という将棋アプリを公開しました。
ふたりでも、ひとりでも。スマホでもタブレットでもパソコンでも。それだけの、シンプルな将棋盤です。
今日も、アプリの宣伝ではありません。
「将棋のアプリって、素人が作れるものなの?」・・・その問いに、AIと一緒に体当たりした1日の記録を、正直に書かせてください。
始まりは、この一言でした。
将棋のアプリなんて、プロの将棋ソフト開発者が作るものだと思いますよね。私もそう思っていました。だからまず、作る前に調べることから始めたんです。
そうしたら、驚きました。
世界最強クラスの将棋AIが、いまはブラウザの中で動く時代なんだそうです。ルールを処理する部品も、対戦をつなぐ仕組みも、探せばちゃんとある。「これは、作れるかもしれない」。調査を終えた時点で、道筋が見えていました。
ところが、作り始めてすぐに気づきます。
将棋のルールって、駒の動かし方だけじゃないんです。
同じ筋に歩を2枚並べてはいけない「二歩」。
打った歩で王様を詰ませてはいけない「打ち歩詰め」。
一番奥まで進んだ歩や桂馬は、それ以上動けなくなるから必ず成る。
こういう細かい決まりが、いくつもいくつもある。そして、どれかひとつでも間違っていたら・・・それはもう、将棋盤じゃないんですよね。「だいたい合ってる将棋」は、将棋ではない。ここが、いちばん緊張したところでした。
ここで、面白いものに出会いました。
将棋のプログラムの世界には、世界共通の「答え合わせ」があるんです。
最初の並びから3手先まで、ルール上あり得る指し手を全部数えると・・・ぴったり25470通り。世界中の将棋プログラムが、この同じ数字で自分のプログラムを検算している。
うちの将棋盤にも、この試験を受けてもらいました。
結果は、25470。1つも多くなく、1つも少なくなく、ぴったり。
この瞬間の安心感、伝わるでしょうか。「たぶん合ってる」が「合ってると言い切れる」に変わった瞬間です。目に見えない正しさを、たったひとつの数字が保証してくれる。プログラムの世界の、美しいところだと思います。

対戦相手のAIも入れました。仕組みは意外と素朴で、「数手先まで読んで、駒の損得を数える」という昔ながらの方法です。
工夫したのは、強くすることより、ちょうどよく弱くすることでした。
「やさしい」レベルには、わざと気まぐれを入れてあります。いつも最善手を指す相手って、正直、遊んでいて楽しくないんですよね。ときどき隙を見せてくれるから、勝てたときにうれしい。
ちなみに「ふつう」レベルと3回対戦して、私は3連敗しました。
自分で作った相手に勝てない。悔しいというより、ちょっと誇らしいのが不思議です。
公開してすぐ、遊んでくれた人から声が届き始めました。これが今回も、宝物でした。
作った本人は、正しい操作しかしないんです。正しい理解で、正しい順番で触ってしまう。だから、何もかもが初めての人の「あれ?」だけが教えてくれることがある。
3つとも、遊んでくれた人がいなければ、ずっと気づけなかったと思います。
オンライン対戦は、うんとシンプルにしました。
「部屋を作る」を押すと、5文字のコードが出ます。それを友達に伝えて、入力してもらったら、対局開始。登録もログインも、何もいりません。
目指したのは、縁側で、こたつで、盤を挟んで向かい合う、あの感じです。
道具は新しくても、やっていることは昔と同じ。「一局どうする?」「やる」。それだけで始まるのがいい。

将棋アプリは、素人でも作れました。調査からアプリの公開まで、AIという相棒とほぼ1日。10年前なら、きっと考えられなかったことです。
でも、いちばんの発見は技術の話じゃありません。
「正しさをどう確かめるか」を先に用意しておくと、安心して作れる。そして、完成してから本当にアプリを育ててくれるのは、遊んでくれる人の「あれ?」だということ。
駒の動かし方をぜんぶ忘れていても、大丈夫です。駒に触れば、動ける場所が光ります。
よかったら、一局どうぞ。私に3連勝した、あのAIが待っています。
・・・もちろん、「将棋はちょっと」という方は、そっと閉じてくださいね。それも大歓迎です。
ともだち将棋
ふたりでも、ひとりでも。AI対戦と、部屋コードでオンライン対局も。
👉 https://akimo10shin5.com/games/tomodachi-shogi/
(スマホのホーム画面に置けば、アプリと同じように使えます)