公開日: 2026-07-20

「あの日の写真、どこだっけ」を解決するアプリを、AIと1日で作った話

更新しました(2026年9月26日) 挿絵を入れました

こんにちは。秋元進吾です📅

「日めくりアルバム」というアプリを公開しました。
カレンダーから見たい日付を選ぶと、その日の写真だけがさっと並ぶ。それだけの、シンプルな写真ビューアーです。

今日も、アプリの宣伝ではありません。
朝の時点でパソコンに開発環境すらなかったのに、夕方には分類機能つきのアプリが動いていた。その1日に、AIに任せたことと、人間にしか決められなかったことを、正直に書かせてください。


写真は、日付で思い出す

スマホの写真、何枚たまっていますか。

私は数え切れないほどありました。そして気づいたんです。写真を探すとき、私はいつも「日付」で思い出している。「あの旅行は去年の秋だったな」「あれは正月の集まりのときだ」。

なのに、写真アプリはひたすら下にスクロールするばかり。日付の見当がついているのに、そこへ一気に飛べない。

だったら、逆にしよう。先にカレンダーを見せて、日付から写真を引く。写真のある日はカレンダーに色濃く浮かび、タップすればその日だけが並ぶ。これが「日めくりアルバム」の考え方のすべてです。

めくりかけの日めくりカレンダーから、海辺や紅葉、食卓、雪景色の写真が扇形に広がっている。

朝、パソコンには何もなかった

まずブラウザで動く試作品を作り、手応えがあったので「ちゃんとしたアプリにしよう」と決めました。

ここで正直に言うと、私のパソコンには、アプリ開発に必要な道具が何ひとつ入っていませんでした。プログラミング言語も、ビルドツールも、ゼロ。

AIに資料を渡して「実行してください」とお願いすると、AIはまず環境づくりから始めました。必要な道具を調べ、ダウンロードし、途中でこのパソコン特有の通信エラーに2回ぶつかり、2回とも自分で原因を調べて回避策を打つ。私がしたことは、横で眺めていたことくらいです。

昼前には、見慣れた黄緑色の画面がWindowsのアプリとして立ち上がっていました。


「進められるところは進めといて」

動作確認のあと、私は用事があって出かけました。出がけに頼んだのは、追加の要望と、この一言だけです。

「これから出かけるから、進められるところは進めといて」

帰ってきたら、こうなっていました。

留守の間に任せられる。これが今のAIの一番すごいところだと、しみじみ思います。

でも、名前だけはAIに決めさせなかった

一方で、最後まで人間の仕事だったこともあります。

ひとつは名前です。最初の仮名は「日付ファースト フォトビューアー」。機能はそのままでも、これでは家族に勧めにくい。AIに候補を出してもらうと「思い出ごよみ」「あの日フォト」「ひめくりフォト」「ひづけアルバム」と並びました。

どれも悪くない。でも決め手に欠ける。そこで候補をふたつ混ぜて、「日めくりアルバム」にしました。日めくりカレンダーの親しみと、アルバムの懐かしさ。最終的な名づけは、AIの案の「いいとこ取り」です。名前を眺めて、迷って、決める。ここは人間の楽しみとして残しておきたい部分でした。

もうひとつ決めたこと。「完全削除は作らない」

写真アプリでいちばん怖いのは、大事な1枚が消えることです。

だからこのアプリの「削除」は、わざと2段構えにしました。

  1. 一覧から外す:アプリの表示から外すだけ。ファイルは1ミリも動きません
  2. ゴミ箱へ移動:パソコンのゴミ箱に移すだけ。いつでも復元できます
棚の画像アイコンが矢印で小箱とふた付き箱へ移り、箱から棚へ戻る矢印も添えられている。

そして、完全削除の機能は最初から作らないと決めました。実行前には必ず「何件をゴミ箱へ移動しますか」と確認が出ます。

機能を増やす判断はAIに任せられても、「何を作らないか」の判断は、使う人の顔を思い浮かべられる人間がすべきだと思うのです。


クラウドの写真はどうする?に対する、拍子抜けの答え

「Google DriveやiCloudの写真も見たい」という相談もしました。てっきり大がかりな連携開発になると思っていたら、AIの答えは拍子抜けするほど現実的でした。

「クラウドの同期フォルダをそのまま登録すれば、今日から見られます」

たしかに、DriveもiCloudもパソコンの中にフォルダとして同期されている。難しい方法を探すより、いま確実に動く方法を選ぶ。そのうえで、将来本格対応したくなったときのための拡張の余地だけ、設計に仕込んでおいてもらいました。

わたしが伝えたいこと

朝は環境ゼロ、夕方には家族に配れるアプリ。10年前どころか、2年前でも考えられなかったスピードです。

でも、この1日をふり返って強く残っているのは、速さの話ではありません。

任せる部分と、決める部分を分けること。

作業はAIがみるみる進めてくれます。だからこそ人間は、名前を考えたり、「消さない設計」にこだわったり、節目ごとに立ち止まって確認したり、そういう「決める仕事」に集中できる。これはたぶん、アプリ開発に限らない話だと思うのです。


「日めくりアルバム」は、どなたでも無料で使えます。

たまった写真の中から「あの日」を掘り出す気持ちよさ、ぜひ味わってみてください。