公開日: 2026-07-25

疲れたときに体が欲しがっているのは、砂糖じゃなかった

更新しました(2026年9月26日) 挿絵を入れました

こんにちは。秋元進吾です。

午後3時。

手が止まって、画面の文字が急に頭に入ってこなくなる時間帯がありますよね。

一人で仕事をしていると、誰も「そろそろ休憩したら」と言ってくれません。休む口実がないんです。それで、口実の代わりに引き出しからチョコレートを出す。

午後の時間、集中しているとおなかがやたらすくことがあります。そんな時、口に何か入れたくなる時ありますよね。私もよくあります。でも一口じゃ終わらない。パクパク食べてしまうこともしばしば。

食べると、たしかに戻ります。

戻るんですけど、しばらくすると、さっきより深く沈んでいる。それでまた手が伸びる。

この繰り返しを「意志が弱いから」だと思っていました。

でも、どうやら違ったんです。意志の問題ではなく、順番の問題でした。

甘いものが効くのは、気のせいではありません

まず、ここははっきりさせておきたいところです。

甘いものを食べてホッとするのは、気のせいでも思い込みでもありません。血糖値(血液の中の糖の量)が上がり、脳の報酬系(快感を感じる仕組み)が反応するためだとされています。

しかも、一度そうやって回復した経験を、体はちゃんと覚えています。

次に同じようにしんどくなったとき、頭で考える前に手が動く。学習したとおりに動いているだけなんですね。

つまり、あなたの意志が弱いのではなくて、あなたの体が優秀なんです。ちゃんと覚えているんですから。

ただ、そのあとに来るものがあります

問題はここからです。

砂糖の多いものを一気に食べると、血糖値が急に上がります。すると体は、上がりすぎた分を戻そうとしてインスリン(血糖値を下げるホルモン)を出します。

そして、急いで上げた分だけ、急いで下げにくることがあります。血糖値スパイク、あるいは反応性低血糖(食後しばらくして血糖が下がりすぎる状態)と呼ばれる流れです。

下がりすぎると、体は今度は慌てて血糖を戻そうとします。このとき出てくるのが、アドレナリンなどのホルモンです。動悸がしたり、なんだかイライラしたり、どっと重くなったりする。

私、ここをずっと逆に覚えていました。

甘いものを食べて元気が出るのはアドレナリンが出るから、だとばかり。

違いました。アドレナリンが出てくるのは、上がったときではなく、下がりすぎたとき。上げるために出るんです。

つまり、甘いもので戻った感じは、回復ではなくて前借りに近い。借りたものは、あとで返すことになります。

左に急に登って谷まで急降下する細い山道、右になだらかな丘をゆっくり越える道が、2枚の風景として並んでいる。

(ただし念のため。この流れは誰にでも毎回起こるわけではありません。体質にも、食べた量にも、その日の状態にもよります。「そういうことが起こりうる」くらいで受け取ってくださいね)

火に、紙だけ足していた

たとえるなら、焚き火です。

火が弱くなったときに、新聞紙をくしゃっと入れる。ぼわっと燃え上がります。でも紙はすぐ燃え尽きて、さっきより暗くなる。だからまた紙を足す。

薪がないんですね。

左では丸めた紙を足した焚き火が大きく燃え上がり、中央ではすぐ燃え尽きて灰になり、右では太い薪の火が小さく燃え続けている。

体にとっての薪にあたるものが、糖をエネルギーに変える側の材料です。糖質をエネルギーとして使う代謝(体の中で栄養を作り変える働き)の過程では、ビタミンB1が必要になります。

紙だけ大量にあっても、燃やす仕組みのほうが追いつかないわけです。

だからといって「疲れの正体はビタミンB不足だ」と言い切るのは、私はやりすぎだと思っています。疲れの理由は、睡眠にも、仕事量にも、季節にも散らばっています。ひとつの栄養素の話に畳んでしまうと、かえって見えなくなる。

言えるのは、こちらくらいです。

砂糖だけを繰り返し足すやり方は、燃料の入れ方として効率が悪い。

薪のほうを置いておく

ビタミンB群を多めに含むとされる食べものは、豚肉、レバー、うなぎ、玄米、卵、納豆など。カツオはタンパク質とビタミンB6が豊富です。

とはいえ、午後3時にレバーを焼く人はいません。私も焼きません。

現実的なのは、こういうところです。

引き出しの中身を変えるのがいちばん楽です。意志で我慢するのではなく、手が伸びた先にあるものを差し替えるだけなので。

いちばん効いたのは、食べる前の5分

仕事机の引き出しにチョコやゆで卵、ナッツの袋があり、窓辺で人がコップを持ち外を見ている。

ただ、正直に言うと、私にいちばん効いたのは食べものの中身ではありませんでした。

食べる前に5分だけ、別のことを先に置くことです。

立ち上がる。水を飲む。窓の外の光を見る。それだけ。

5分たっても食べたければ、食べます。禁止はしません。禁止すると、だいたいその日の夜に倍返しが来ますから。

やってみると、けっこうな割合で「あれ、そんなに食べたくなかったな」となります。疲れて欲しかったのは砂糖ではなく、"中断" のほうだった、ということが多いんですね。

一人で仕事をしていると、休憩に口実がいります。甘いものは、その口実として優秀すぎたんだと思います。

今日、ひとつだけ

明日から食生活を変えましょう、という話ではありません。続かないので。

次に手が伸びたとき、5分だけ先に別のことを置いてみませんか。

それだけで、自分がほんとうに欲しかったものが、少し見えてきます。

体調に不安があるときや、極端な眠気やだるさが続くときは、自己判断せずに医師や管理栄養士に相談してくださいね。ここに書いたのは、あくまで一般的な話と、私自身が試して残ったものです。


この記事は、ネットショップを運営していたころに "ちゃんご店長" の名前で親しまれていたメルマガの一本をもとに、内容を最新の理解で確認し直して書き直したものです。当時の記事には誤りがいくつかあったため、再掲ではなく新しく書き起こしました。当時のメルマガをAIに評価してもらう連載は、過去のメルマガをAIに評価してもらったらにまとめています。

この記事を書いた人

秋元進吾(進選ライフ)。AI活用、コンテンツ制作、アプリづくり、職人向けコンサル、暮らしのサポートを一人でやっています。

akimo10shin5.com