こんにちは。秋元進吾です。今日は、家の中の「小さいけれど、自分では手に負えない」困りごとを抱えている方に向けて、そっとお届けします。
脚立に乗って電球を替えようとしたら、なんだか足がふらつく。重いタンスを一つ、部屋の反対側に動かしたいだけなのに、頼める人が思いつかない。庭の草が、気づけばひざの高さまで伸びている。修理業者を呼ぶほどの話でもない気がして、そのままにしているうちに、何か月も経ってしまう。
・・・そんな「これ、どこに頼めばいいんだろう」を、後回しにしていませんか。
実はこの手の困りごとを、まとめて引き受けてくれる仕事があります。便利屋、または「なんでも屋」と呼ばれる仕事です。私自身、調べるまでは名前くらいしか知りませんでした。頼む側として知っておきたかったことを、そのままお裾分けします。
便利屋とは、電球交換、家具や家電の移動、庭の草むしり、部屋の片づけなど、暮らしの中の細々とした作業を幅広く引き受けてくれる仕事です。1回30分からの短い依頼にも対応してくれるところが多く、「これだけでも頼んでいいのかな」という遠慮が、いちばん要らない相手だと思います。
似ている名前の仕事と、先に区別しておきます。
家事代行やハウスクリーニングと同じく、便利屋という仕事自体を直接しばる国家資格や業法はありません〔要確認〕。裏を返せば、何を頼めて何を頼めないかは、業者の誠実さと知識にゆだねられている部分が大きい、ということでもあります。次の章が、そこにかかわる話です。
便利屋の料金は、時間制と出張費の組み合わせが基本です。
作業の内容によって料金の考え方がまったく変わるのが、便利屋ならではのところです。だからこそ欠かせないのが、作業前の総額見積りです。電話やメールでの依頼内容だけで金額を決めてしまう相手より、実際に見てから、あるいは写真や動画を見ながら「これだけかかります」と総額を先に示してくれる相手を選んでください。当日になって「思ったより大変だったので」と追加料金を切り出してくる相手には、注意が要ります〔要確認〕。
「なんでもやります」は、一見頼もしく聞こえます。でも、頼む側が本当に見ておきたいのは、その逆です。法律上できない仕事を、きちんと線引きできるかどうか。
代表的なのが、電気にかかわる作業です。差し込むだけの照明器具や、露出型のコンセントの交換は資格なしでもできるとされていますが、天井に直接つながっている照明器具の交換や、壁の中の配線にかかわるコンセントの増設は、電気工事士の資格を持つ人でなければ行えません〔要確認〕。経済産業省も、資格が要らない「軽微な工事」の範囲を示していますが、その範囲はかなり限られています。「配線もまとめて安くやりますよ」と請け負う相手には、資格の有無をたずねてみてください。
もうひとつが、不用品の回収です。家庭から出る不用品を有料で引き取って運ぶには、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可が要ります。便利屋が片づけの中で出たゴミを一緒に処分まで引き受ける場合、この許可を持っているかどうかで、頼める・頼めないが変わってきます〔要確認〕。
このほかにも、庭木の高所での剪定、蜂の巣の除去、ガス機器の工事など、危険や資格をともなう作業は、専門業者へ橋渡ししてくれるのが誠実な便利屋です。「できません、それは専門業者さんの仕事です」と、聞く前から言ってくれる相手を選んでください。
便利屋を探すとき、もうひとつ知っておいてほしいことがあります。スピーカーで「不用品、なんでも無料で回収します」と流しながら住宅街を巡回する軽トラックです。
これは便利屋そのものではありませんが、似たような「困りごとの何でも屋」という立ち位置で声をかけてくるため、混同されがちです。国民生活センターは、市区町村から一般廃棄物処理業の許可を受けずに違法に回収を行う事業者について、繰り返し注意を呼びかけています。無料や格安のはずが、荷台に積み込んだあとで「これは処分費が別にかかる」などと高額な料金を請求される。断りきれない雰囲気で、その場で払わされてしまう。こうした相談が各地の消費生活センターに寄せられています。
防ぎ方はシンプルです。その場で呼び止めて頼むのではなく、事前に市区町村のホームページや窓口で許可業者を確認してから連絡する。これだけで、トラブルの多くは避けられます。信頼できる便利屋は、不用品の扱いについても「うちでは許可の要ることはしません」と、自分から線を引いて説明してくれます。
難しい知識はいりません。次の5つを、問い合わせと初回のやりとりで見てください。
5つ全部が満点でなくても大丈夫です。でも、できないことを聞かれるまで言わず・見積りをあいまいにし・その場での即決を迫る、この3つが揃ったら、いったん離れて別の業者をあたっていい合図だと思います。
入口は、思っているよりずっとシンプルです。
「これくらい頼んでいいのかな」という小さな依頼ほど、遠慮せずに聞いてみてください。断られたら断られたで、専門業者を教えてもらえることも多いです。
電球ひとつ、タンス一つ、草むしり一角。どれも、我慢すればやり過ごせる程度のことかもしれません。でも、我慢して積み上げる必要は、本当はどこにもありません。
大きな工事でも、大がかりなリフォームでもない。「ちょっとしたこと」を、ちょっとしたことのまま頼める相手がいる。それだけで、暮らしはずいぶん軽くなります。
今日の1アクションは、これだけです。
家の中で「気になっているけれど、放っている小さいこと」を、一つだけ書き出してみませんか。電球でも、動かしたい家具でも、庭の一角でもかまいません。頼むかどうかは、そのあとで決めればいい。まずは、後回しにしていたその一つに、名前をつけてあげてください。
それでは、また。あなたの家の「気になっていたところ」が、少しでも軽くなりますように。
【免責事項】
本記事は、便利屋(なんでも屋)サービスの利用を検討する方が判断材料を得るための、一般的な情報提供を目的としています。記載内容は執筆時点の情報に基づくもので、料金・作業範囲・資格や許可の要否・保険の補償内容は、地域や時期、事業者によって変わります。実際のサービス内容・料金・契約条件・資格や許可の有無は必ず各事業者にご確認のうえ、電気工事や不用品回収など専門の資格・許可にかかわる作業については、該当する専門業者や市区町村の窓口にもご確認いただき、ご自身の判断と責任でお決めください。本記事は特定の事業者・サービスを推奨または保証するものではなく、本記事の利用により生じたいかなる損害についても、著者は責任を負いかねます。
【出典】
著者:秋元進吾