AI時代のプログラミング学習カリキュラム第6講 JavaScriptを読む・5つの概念だけ
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AI時代のプログラミング学習カリキュラム 第2部 読めるようになる

第6講 JavaScriptを読む・5つの概念だけ

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この講で解けるようになる困りごと

HTMLとCSSは、なんとなく読めるようになってきた。でもJavaScriptのファイルを開いた瞬間、記号の羅列に見えて閉じてしまう。波カッコ、丸カッコ、イコールが2つも3つも並ぶやつ・・・どこからどこまでが一まとまりなのかも分からない。

安心してください。読むために必要な概念は、たった5つです。この講を終えると、コードが「記号の羅列」から「日本語に直せる手順書」に変わります。書けるようになる話は、今日もしません。


仕組み

レシピにたとえます。

料理のレシピには、決まった部品しか出てきません。材料、手順、「もし~なら」の分かれ道、繰り返し、そして煮込んでいるあいだの別作業。JavaScriptも同じで、部品は5つです。

1つ目、変数(値に名前をつけた入れ物)。レシピの材料欄です。「玉ねぎ 2個」のように、あとで使うものに名前をつけて置いておく。なお、入れ物には仲間がいます。配列(入れ物を順番に並べた入れ物。買い物リストのようなもの)と、オブジェクト(名前つきの入れ物の束。「玉ねぎ:2個、豚肉:300g」のような一覧表)。見た目は違っても、どちらも"入れ物の仲間"です。

2つ目、関数(手順のかたまりに名前をつけたもの)。レシピの「だしを取る」です。一言で書いてあるけれど、中身は数ステップある。名前を呼べば、その手順一式が実行されます。

3つ目、条件分岐(もし~なら、こうする)。「肉に火が通っていたら次へ、まだなら3分待つ」。コードでは if という単語が目印です。

4つ目、繰り返し(同じ作業を必要な回数やる)。「餃子の皮がなくなるまで包む」。for や while が目印です。

5つ目、非同期(時間のかかる作業を待つあいだ、別のことを進める段取り)。煮込みに20分かかるとき、コンロの前で直立して待つ人はいません。煮込みは火に任せて、そのあいだに洗い物を進め、頃合いになったら鍋に戻る。プログラムも、通信のような時間のかかる作業では「終わったら教えて」方式を使います。async や await という単語が目印ですが、いまは「待ち時間の段取りをしている場所だ」と分かれば十分です。

この5つで、日常のコードのほとんどは説明がつきます。逆に言うと、どんなに長いコードも、この5つの組み合わせでできた"レシピの束"です。壁のように見えていたものの正体は、知らない概念が無限にあることではなく、5つの部品が読めない並び方をしていることなのです。


✍️ 手元で確かめる(5分)

自分の一枚には、ボタンを押すと挨拶が変わる仕掛けが入っています。その部分・・・JavaScriptのコードを探して、眺めてください。実物がある人は、自分のコードから短めの関数を1つ選んでください。

そして、それを日本語の手順書に書き直します。紙に、箇条書きで。

たとえばこんな具合です。「①挨拶の文をいくつか、入れ物に並べておく ②ボタンが押されたら、次の文を取り出す ③画面の表示を、その文に差し替える」

分からない行があって構いません。そこは「???」と書いて飛ばす。全体の7割が日本語になれば合格です。書き終わったら、AIに同じ箇所の説明を頼んで、自分の手順書と見比べてください。「???」の行の正体も、ここで判明します。


💬 AIへの質問例

そのまま貼って使えます。

  1. 「私は初心者で、コードを読む練習をしています。この関数を、プログラミングを知らない人向けの日本語の手順書に直してください。1行ずつではなく、意味のまとまりごとにお願いします。(関数を貼る)」
  2. 「このコードの中に、変数・関数・条件分岐・繰り返し・非同期がそれぞれどこにあるか、印をつけて教えてください。5つのうち使われていないものは『無し』と言ってください。(コードを貼る)」
  3. 「この1行だけがどうしても読めません。この行が何をしているか、料理か日常の作業のたとえで説明してください。(行を貼る)」

⚠️ やってはいけないこと

分からない行を「たぶん要らない」と消すこと。

読めるようになってきた頃に、必ず一度やりたくなります。手順書に直してみて、無くても成立しそうな行があった。消してみた。動いた。ほら要らなかった・・・とは限らないのです。その行は、特定の条件のときだけ働く安全装置かもしれない。レシピの「アクを取る」を省いても料理は完成しますが、味は静かに落ちています。しかも困ったことに、この壊れ方はエラーを出しません。画面は普通に動いていて、気づくのはずっと後です。

行を消していいのは、「消しても大丈夫か」をAIに聞いて、その行の役割を理解してからです。読める人の特権は、消せることではなく、消す前に質問できることです。


📌 まとめ

  • JavaScriptの部品は5つだけ。入れ物(変数)、手順のかたまり(関数)、分かれ道、繰り返し、待ち時間の段取り(非同期)
  • 読むとは、日本語の手順書に直せること。7割訳せれば十分、残りはAIに聞く
  • 分からない行を消さない。消す前に役割を質問するのが、読める人の作法