AI時代のプログラミング学習カリキュラム第12講 切り分けの手順
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AI時代のプログラミング学習カリキュラム 第3部 壊れても直せる

第12講 切り分けの手順

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この講で解けるようになる困りごと

サイトの表示がおかしい。「たぶんCSSだな」と当たりをつけて直す。変わらない。「じゃあJavaScriptか」と直す。変わらない。気づけば2時間、あちこち触った結果、最初よりおかしくなっている・・・。

推測で当てにいくと、たいていこうなります。この講のゴールは、当てにいくのをやめて、原因を"挟み撃ち"で追い詰める手順を身につけることです。地味ですが、第3部でいちばん時給の高い技術です。


仕組み

ブレーカーにたとえます。

家中の電気が突然消えたとき、電気に詳しくない人でも対処できるのはなぜでしょう。分電盤を開けて、落ちているブレーカーを探し、部屋ごとのスイッチを1つずつ上げてみる。台所のスイッチを上げた瞬間にまた全部落ちたら、犯人は台所の何かです。電気の知識はゼロでも、範囲を半分ずつ削っていけば、原因の住所は特定できる。

不具合の切り分けも、これと同じ発想でやります。コツは、原因を当てにいかないこと。代わりに、「どちら側か」を確かめる質問を繰り返して、範囲を狭めます。

第1講の地図を思い出してください。画面の向こうには、客席(自分のブラウザ)・ホール(通信)・厨房(サーバー側)がいました。おかしいとき、まず知りたいのは犯人の名前ではなく、犯人がどの区画にいるかです。

どの一手も、原因を1ミリも推理していないことに注目してください。それでも3手で、容疑者の住む区画はかなり絞れます。絞れてから初めて、その区画の中を調べる。推理は、範囲が狭くなってからやるものです。


✍️ 手元で確かめる(5分)

壊れていない今日のうちに、3手の"素振り"をしておきます。自分の一枚(またはサイト)で。

  1. いつもと別の端末か、別のブラウザで開く。同じように見えることを確認
  2. 別の回線で開く。同じように見えることを確認
  3. ファイルを1箇所書き換えて保存し、また元に戻して保存する。元どおりに表示されることを確認

ばかばかしいほど簡単ですが、これで「いざというとき、この3手が打てる」状態になりました。3手目のために、触る前にコピーを取る癖(第10講の演習でやったやり方)も、ここで正式に習慣にしてください。本格的な"戻せる仕組み"は次の第13講でやります。今日は手動のコピーで十分です。


💬 AIへの質問例

そのまま貼って使えます。

  1. 「私は初心者です。私のページで(症状を書く:いつから・何をすると・どうなる)という状態です。考えられる原因を、確認しやすい順に並べて、それぞれの確認方法も教えてください」
  2. 「いま切り分けの途中です。ここまでで(試した手と結果を書く。例:別の端末でも同じ症状だった・別の回線でも同じだった)を確認しました。犯人の範囲はどこまで絞れましたか。次に打つべき一手も教えてください」
  3. 「この症状の原因の候補を、『自分の端末側』『通信側』『サーバー側』『最近の変更』の4区画に分けて挙げてください。区画ごとに、いちばん簡単な確認方法を1つずつお願いします。症状:(書く)」

1つ目の「確認しやすい順に」は、第1講でも出てきた言い回しです。可能性の高い順ではなく、確認しやすい順。安い検査から受けるのが、切り分けの鉄則です。


⚠️ やってはいけないこと

複数の箇所を、同時に直すこと。

急いでいるときほどやりがちです。「CSSも怪しいし、この行も怪しいから、両方直して読み込み直そう」。それで直った場合、どちらが効いたのか分かりません。直らなかった場合はもっと悪くて、2つの変更が絡み合い、症状そのものが変わってしまう。ブレーカーを3つ同時に上げたら、どの部屋が犯人か永遠に分からないのと同じです。

ルールは第10講と同じです。1回に1箇所。直したら確認。効かなければ戻してから次。切り分けの速さは、手数の多さではなく、1手ごとの答え合わせの確かさで決まります。


📌 まとめ

  • 原因を当てにいかない。「どちら側か」の質問を繰り返して、範囲を挟み撃ちにする
  • 3手・・・別の端末、別の回線、直前の変更の打ち消し。推理は範囲が狭まってから
  • 同時に2箇所を直さない。1手ごとに答え合わせをするのが、結局いちばん速い