こんにちは。秋元進吾です。今日は、誰もが一度は経験する「引っ越し業者選び」の話です。
訪問見積りに来た営業さんが、電卓を叩きながらこう言います。「今日この場でご契約いただければ、ここからさらに3万円引きます」。・・・心が動きますよね。目の前で数字が下がっていくのを見ると、つい「ここで決めなきゃ損」という気持ちになる。
でも、これは引っ越し業界では、わりとよくある営業手法でもあります。今日は、その場の空気に流されないための予習ノートです。
引っ越し料金は、塗装や畳と違って、そもそも定価がありません。
荷物量・移動距離・時期・作業員の人数・トラックの大きさ・オプション(エアコン脱着・ピアノ輸送など)、これだけの要素で1件1件見積もりが作られます。だからこそ、業者ごとの金額差が大きくなりやすく、「他社と比べにくい」状態が生まれます。
さらに、訪問見積りという仕組み自体が、「その場で決めてもらうほど、値引きの上限まで下げられる」という営業スタイルと相性がいいんです。先に高めの金額を提示しておいて、「今日決めるなら」で段階的に下げていく。値引きされている実感を演出しながら、実際には最初から想定していた金額に着地させるテクニックでもあります。悪いことばかりではありませんが、「安くなった」と「適正価格になった」は、別の話だと知っておいてください。
時期・人数・距離で大きく変わるため、あくまで目安の幅です〔要確認〕。
通常期(5月〜1月)
繁忙期(2月〜4月、特に3月後半〜4月上旬が最混雑)
長距離の場合、単身の近距離(同一都道府県内など)なら3万円台〜5万円台で収まることもありますが、500km以上の長距離になると10万円を超え、繁忙期と長距離が重なると18万円近くになる例も報告されています。
同じ荷物量・同じ距離でも、時期がずれるだけで数倍の差が出ることがある、という点は覚えておいて損はありません。
意外と知られていませんが、引っ越し業者には「標準引越運送約款」という、国が定めた共通ルールがあります〔要確認〕。特にキャンセル料については、上限が決まっています。
この約款を使わず、独自ルールを設けている業者もあると言われているので、契約前に「キャンセル規定はどうなっていますか」と確認しておくと安心です。エアコンの取り外しなど、すでに着手されたオプション作業がある場合は、この上限とは別に実費を請求されることがある点も、頭の片隅に置いておいてください。
①見積書に、作業内容の内訳がある
「引越し一式 ◯◯円」ではなく、基本運賃・人件費・オプション料金が分かれて書かれているかを見ます。
②キャンセル規定を、聞けばすぐ答える
約款どおりか、独自ルールか。聞かれ慣れている業者は、即答します。
③訪問見積りで、荷物を実際に見て出す
電話だけの概算ではなく、実際の荷物量を見てから金額を出す業者のほうが、当日の追加請求が起きにくくなります。
④「今日だけ」を強調しすぎない
値引きの提示があっても、持ち帰って検討する時間をくれるか。急かす業者ほど、比べられたくない事情があることが多いです。
⑤補償の内容を説明できる
荷物の破損・紛失があったときにどう対応してくれるか、契約前に聞いて答えられるかを見ておきます。
相見積りは基本ですが、ただ複数社に来てもらうだけでは、実はうまく比較できません。コツは「条件をそろえて聞く」ことです。
3社くらいに同じ条件で聞いてみると、相場観がつかめてきます。1社だけだと、それが高いのか安いのか、判断のしようがありません。
ステップ1:時期を決める前に、繁忙期かどうかを確認する
どうしても3〜4月しか動けない事情がある場合は仕方ありませんが、日程に余裕があるなら、通常期にずらせないかを先に考えます。
ステップ2:2〜3社に、同じ条件で見積りを依頼する
訪問でもオンラインでも、荷物量と日程をそろえて聞きます。
ステップ3:その場で即決せず、他社の金額と照らしてから返事する
「今日決めれば安くなる」と言われても、一度「持ち帰ります」と言っていいんです。本当に良い条件なら、翌日連絡しても大きくは変わりません。
長くなりました。最後にひとつだけ持って帰ってください。
引っ越し料金に定価はない。だから、「その場の値引き」より「複数社を同じ条件で比べた結果」を信じる。
今日の1アクションです。もし引っ越しの予定があるなら、まずカレンダーを開いて、その日程が繁忙期(3月後半〜4月上旬)に重なっていないか確認するだけでいい。ずらせる余地があるかどうかを知るだけで、その後の金額交渉の景色が変わります。
それでは、また。
【免責事項】
本記事は、引っ越しを依頼する方が業者選びの判断材料を得るための一般的な情報提供を目的としています。記載した価格・相場・約款の内容は執筆時点で参照した公開情報をもとにした目安であり、実際の金額・規定は時期・荷物量・距離・地域・業者によって変動します。正確な金額・キャンセル規定は、必ず各業者の見積書および契約書面でご確認ください。本記事は特定の業者・商品・サービスを推奨・保証するものではなく、本記事の利用により生じたいかなる損害についても著者は責任を負いかねます。
出典:
著者:秋元進吾