こんにちは。秋元進吾です。今日は、どの家にも必ずある、でも壊れるまでは意識しない設備、給湯器の話です。
冬の朝、シャワーのレバーをひねったら、お湯じゃなくて水しか出てこない・・・想像するだけで、体温が2度くらい下がった気がしませんか。
給湯器は、多くの場合、前触れなく壊れます。外壁塗装のように「そろそろ塗り替えかな」と外から劣化が見えるものではなく、昨日まで普通に使えていたのに、今日いきなり動かなくなる。これが給湯器という設備の、ちょっと厄介な性格です。
そして、ここが本題なのですが、「今日お湯が出ない」という状況は、人を冷静な判断から遠ざけます。3社に連絡して見積もりを比べる余裕なんてなくて、その日のうちに来てくれた1社に、言われるがまま契約してしまう。給湯器の交換で損をする人の多くは、たぶんこのパターンにはまっています。
このガイドは、「壊れてから」ではなく「壊れる前」に読んでほしい、発注する側の予習ノートです。
まず、寿命の目安からお伝えします。ガス給湯器は、設置から10〜15年程度が交換の目安と言われています〔要確認〕。10年を過ぎたあたりから部品の製造が終了していることも多く、いざ修理しようとしても部品がなく、結局まるごと交換するしかない、というケースが増えてきます。
でも、「10〜15年」という数字を知っていても、実際に壊れる瞬間まで、ほとんどの人は何も準備をしません。当たり前です。ちゃんと動いているものを、わざわざ交換しようとは思いませんから。
あわせて、最低限の基礎知識も持っておいてください。ひとつは「号数」。1分間にどれだけお湯を出せるかを表す数字で、家庭用は主に16号・20号・24号の3種類です〔要確認〕。号数が大きいほど同時に使えるお湯の量が増えますが、その分、本体価格も上がります。もうひとつは「エコジョーズ」。排気熱を再利用してガスの使用量を抑える省エネタイプの給湯器のことで、従来型より本体価格は高くなりますが、長い目で見るとガス代を抑えられる、という設計です。
この「寿命」「号数」「エコジョーズかどうか」を知らないまま、壊れた当日に業者さんと向き合うと、説明されたことをそのまま飲み込むしかなくなります。これが、給湯器という工事の「見えにくさ」の正体です。
だからこそ、ひとつ提案させてください。もし今使っている給湯器が設置から10年を超えているなら、壊れる前に一度だけ、見積りだけ取っておいてください。壊れてから業者を探すのと、壊れる前に「ここなら」という候補を持っておくのとでは、当日の心の余裕がまったく違います。とくに冬は、給湯器の故障が集中する繁忙期。連絡しても数日待ち、という状況も珍しくありません。
「で、結局いくらかかるの」・・・ここが一番知りたいところですよね。
正直にお伝えすると、給湯器の交換費用に絶対の正解はありません。号数やタイプ、設置場所、既存の配管の状態によって変わるからです。目安としては、本体価格と工事費をあわせて10万円台後半〜40万円程度という情報が多く見られます〔要確認〕。号数を下げたり、機能をシンプルなものにすることで費用を抑えられる、という考え方も知っておくといいと思います。
ここで、ひとつ注意してほしい表示があります。「定価の7割引」「メーカー希望小売価格から◯%オフ」という見せ方です。
給湯器の業界では、もともとの「定価(メーカー希望小売価格)」自体が高めに設定されていて、そこから大きく割り引いて見せるのが一般的な販売スタイルになっている、と言われています〔要確認〕。「定価30万円が今なら15万円」という表示を見ても、その定価自体が実際に取引される価格とかけ離れているなら、本当にお得かどうかは判断できません。大事なのは「定価からどれだけ引いたか」ではなく、「工事費まで含めた総額が、他の業者と比べてどうか」です。ここでもやっぱり、比べる相手が必要になってきます。
長くなりました。最後に、これだけ持って帰ってください。
給湯器は「壊れてから」では比べる余裕がなくなる。だから、壊れる前に一度、見積りだけ取っておく。
今日の1アクション。いきなり見積りを取るのはハードルが高いので、今日はもっと小さく。
お使いの給湯器の側面にあるラベルを見て、設置年(製造年)だけ確認してみてください。それが10年を超えていたら、次の週末にでも、見積りの電話を1本かけてみる。それだけで、いざというときの慌て方が変わってきます。
この安心ガイドシリーズは、これからも少しずつ増やしていく予定です。それでも、あなたが慌てて損をする夜が来ませんように。
それでは、また。
【免責事項】
本記事は、工事を依頼する方が業者選びの判断材料を得るための一般的な情報提供を目的としています。記載内容は執筆時点の情報に基づくもので、価格・相場・制度・資格の名称や要件は地域や時期によって変動します。実際の機種選定・工事内容・金額・契約条件は、必ず各業者の見積書および契約書面をご確認のうえ、ご自身の判断と責任でお決めください。本記事は特定の業者・商品・サービスを推奨・保証するものではなく、本記事の利用により生じたいかなる損害についても著者は責任を負いかねます。
【出典】
著者:秋元進吾