「この先、家でちゃんと看られるだろうか」・・・その不安、看護師さんが一緒に抱えてくれます


こんにちは。秋元進吾です。今日は、ご家族が退院したばかりだったり、持病があって体調の変化が心配だったりする方に向けて、そっとお届けします。

退院の日、医師から「あとはご自宅で様子を見てくださいね」と言われて、ほっとしたのもつかの間、家に着いてから急に不安になった・・・という経験はないでしょうか。

傷の消毒はどうすればいいのか。薬が急に5種類も6種類も増えて、朝昼晩でどれをどう飲ませればいいのか混乱する。血圧や熱を測っても、この数字が「様子見でいい」のか「病院に連絡すべき」なのか判断がつかない。夜中に少し息苦しそうにしているだけで、こちらが眠れなくなる。「何かあったらすぐ病院に電話してください」と言われても、その「何か」の見極めが、家族にはいちばん難しいのです。

実は、看護師が定期的に家に来てくれる「訪問看護」という仕組みがあります。医師の指示のもとで、体調のチェックから医療的な処置まで行ってくれる、公的保険の対象にもなる制度です。私も調べていて、「介護」と名前が似ているのに中身がこんなに違うのか、と驚くことが多かったので、頼む側の目線で整理してお伝えします。

このガイドは、専門家ぶるための記事ではありません。かつての、何も分からなかった自分に渡したかった予習ノートを、そのままお裾分けします。


訪問看護とは・・・「看護師が家でしてくれること」です

訪問看護とは、看護師(准看護師・保健師・助産師を含みます)が、医師の指示のもとご自宅に伺い、療養上の世話や医療的な処置を行うサービスのことです。

主な内容を挙げると、次のようになります。

ここで、いちばん間違えやすいところをお伝えします。「看護」と「介護」は、字も響きも似ているので、混同されがちです。でも、担う人も役割もはっきり違います。

「介護の人に頼んだら、傷の処置はできないと言われた」というようなすれ違いは、この違いを知らないまま呼んでしまうと起こりえます。何を頼みたいかによって、呼ぶ先が変わる、と覚えておいてください。


医療保険と介護保険、どちらが使われるか〔要確認〕

訪問看護には、大きく分けて「介護保険」を使う場合と、「医療保険」を使う場合があります。ここは制度として複雑なところなので、ざっくりとした目安としてお伝えします〔要確認〕。

もうひとつ、覚えておくとよい例外があります。ふだんは介護保険を使っている方でも、症状が急に悪化したときなどに主治医が「特別訪問看護指示書」を出すと、一定期間は医療保険に切り替わり、集中して訪問を受けられる仕組みがあります〔要確認〕。

どちらの保険が使われるかで、利用できる回数や金額の計算のしかたが変わってきます。「うちの場合はどちらになるのか」は、担当のケアマネジャーか訪問看護ステーションに聞けば、その場で整理してもらえます。自分で判定しようとしなくて大丈夫です。


自己負担の目安・・・1回数百円というケースもあります〔要確認〕

いちばん気になる、お金の話です。

先にお断りしておくと、金額に絶対の正解はありません。使う保険の種類、訪問の時間、地域、加算の有無などで変わるからです。ここでは「目安の幅」としてお伝えします〔要確認〕。

介護保険を使う場合、自己負担は所得に応じて1割から3割です。たとえば30分から1時間未満の訪問で、1割負担の方はおおむね800円台、2割なら1,600円台、3割なら2,400円台という例があります〔要確認〕。

医療保険を使う場合も自己負担は1割から3割ですが、年齢によって割合の決まり方が変わります(75歳以上は原則1割、70歳から74歳は原則2割、一定以上の所得がある方はそれぞれ3割など)。1回あたりでは、看護師の訪問で1割負担なら500円台から700円台というケースが目安として挙げられています〔要確認〕。また医療保険には、原則週3回までという回数の決まりもあります(病状によって例外があります)〔要確認〕。

このほか、24時間対応をお願いする場合の加算や、交通費が別にかかることもあります。金額を聞くときは、街の工事の見積もりと同じで「一式いくら」で終わらせず、「自己負担は何割で、1回いくらになりますか。加算や交通費は別ですか」と、具体的に聞くのがコツです。

料金・保険の扱いは、制度改定や地域、ご本人の状態で変わります。実際の金額は、必ず事前に見積もりとして確認してください。


訪問看護ステーションの選び方・5つ

家に上がってもらう相手だからこそ、選ぶときの目線を持っておくと安心です。次の5つを、電話や初回のやりとりで見てください。

  1. 24時間対応をしているか。急な体調変化のとき、電話や訪問で対応してもらえる体制があるかは、いざというとき大きな差になります
  2. 必要な医療処置に対応できるか。点滴・カテーテル管理・痰の吸引など、ご本人に必要な処置を、その事業所が扱った実績があるか
  3. 主治医との連携が密か。体調の変化や処置の内容を、どれくらいの頻度で主治医に報告しているかを聞いてみる
  4. 料金や加算の説明が明朗か。自己負担の目安、24時間対応の加算、交通費の有無を、契約前にはっきり示してくれるか
  5. 相性と説明のしかた。初回の訪問で、家族の話をきちんと聞いてくれるか、専門用語をかみくだいて説明してくれるか

全部が満点でなくても大丈夫です。でも、「必ず良くなる」と断定してきたり、料金の説明をぼかしたりする相手は、いったん距離を置いていい合図だと思ってください。


頼み方は、たった3ステップ

では、実際にどう動けばいいのか。入口はとてもシンプルです。

  1. 担当のケアマネジャーに「訪問看護を頼みたい」と伝える。まだ介護保険の認定を受けていない場合や、退院直後で担当者が決まっていない場合は、病院の医療ソーシャルワーカーや地域包括支援センター(高齢者の総合相談窓口)に相談する
  2. 主治医(かかりつけ医)に、訪問看護を受けたい旨を伝え、「訪問看護指示書」を出してもらえるか確認する。指示書の作成には1週間ほどかかることがあります〔要確認〕
  3. 訪問看護ステーションと契約し、看護師とともに「訪問看護計画書」の内容(訪問頻度・目的)を確認する。初回はできればご家族が同席する

順番に迷ったら、まずはケアマネジャーへの相談から。すでに入院中なら、病院の医療ソーシャルワーカー(退院支援の窓口)に相談すると、退院までに指示書の手配まで進めてくれることが多いです。

訪問看護は、この「ケアマネジャー・主治医・訪問看護ステーション」の三者連携が生命線です。ご家族だけで抱え込まず、まずは間に立ってくれる人を見つけることが、いちばんの近道です。


まとめ・・・「何かあったら」を、ひとりで背負わない

長くなりました。最後に、これだけ持って帰ってください。

「何かあったらすぐ連絡してください」と言われたときの不安は、家族が医療の素人だからこそ大きくなります。その「何か」を一緒に見てくれる専門家が、定期的に家まで来てくれる。それだけで、日々の緊張は変わってきます。

今日の1アクションは、これだけです。

次に主治医やケアマネジャーと話す機会があったら、「訪問看護って、うちでも頼めますか?」と聞いてみませんか。合わなければ、やめればいいだけです。まずは選択肢があることを、ご自分に、そっと許してあげてください。

それでは、また。あなたのご家族の毎日が、少しでも安心できるものになりますように。


【免責事項】
本記事は、訪問看護の利用を検討するご家族・ご本人が判断材料を得るための、一般的な情報提供を目的としています。記載内容は執筆時点の情報に基づくもので、医療保険と介護保険の適用条件、自己負担額、指示書の運用は、地域や時期、制度改定、ご本人の状態によって変わります。本記事は特定の医療効果や症状の改善を保証するものではありません。実際にご利用の際は、主治医・担当ケアマネジャー・各訪問看護ステーション、およびお住まいの自治体や保険者に必ずご確認のうえ、ご自身の判断と責任でお決めください。本記事の利用により生じたいかなる損害についても、著者は責任を負いかねます。

【出典】

著者:秋元進吾