こんにちは。秋元進吾です。今日は、入院中に頑張ってきたリハビリを、退院後も続けたいと考えているご家族に向けて、そっとお届けします。
入院中は毎日のように理学療法士さんが来てくれて、少しずつ歩けるようになってきた。ところが退院すると、その毎日がぱたりと止まる。通院リハビリに切り替えようにも、本人を連れて外来に通うだけでひと苦労。「今日は疲れたから休もうか」が続くうちに、できていたことが少しずつできなくなっていく・・・そんな場面に、心当たりはないでしょうか。
「せっかく病院で頑張ったのに、家に帰ってきたらまた振り出しに戻ってしまうんじゃないか」。そう感じているご家族は、実は少なくありません。
実は、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が家まで来てくれる「訪問リハビリ」という仕組みがあります。病院の中でのリハビリとは少し違う、生活の場だからこその意味もあります。私も調べていて、「訪問看護とどう違うのか」「どこに頼めばいいのか」と最初は迷ったので、頼む側の目線で整理してお伝えします。
このガイドは、専門家ぶるための記事ではありません。かつての、何も分からなかった自分に渡したかった予習ノートを、そのままお裾分けします。
訪問リハビリとは、理学療法士(体の動きが専門)・作業療法士(日常の動作が専門)・言語聴覚士(言葉や飲み込みが専門)が、ご自宅に伺ってリハビリを行うサービスのことです。
病院のリハビリ室でも同じ専門職がリハビリをしてくれますが、訪問リハビリには、病院とは違う意味があります。
たとえば、いくら病院の平行棒の上で歩けるようになっても、家の廊下は狭く、玄関には段差があります。訪問リハビリでは、その家の間取りや家具の配置を踏まえて、手すりの位置や動線を一緒に考えてくれます。病院でできたことを、暮らしの中でも本当にできる形に落とし込む・・・それが、生活の場でやることの意味です。
訪問リハビリは、理学療法士たちが単独の判断で行うものではありません。計画的に体を診てくれている医師の指示のもとで行う、というのが大前提です〔要確認〕。
具体的には、次のような書類が使われます。
どちらの指示書にも有効期間があり、続けるには医師による定期的な確認と更新が必要とされています〔要確認〕。この「医師が定期的に関わり続ける」という構造があるからこそ、リハビリの内容が、そのときどきの体調に合わせて調整されていきます。
主治医が、入院していた病院の医師のままなのか、退院後にかかりつけ医を新たに決めるのかによっても、指示書を出す先が変わります。退院前に、病院の医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーに確認しておくと安心です。
訪問リハビリも、訪問看護と同じように、介護保険と医療保険のどちらかが使われます。原則として、要介護認定を受けている方は介護保険が優先され、2つの保険を同時に使うことはできません〔要確認〕。
介護保険を使う場合、自己負担は所得に応じて1割から3割です。時間の目安で言うと、20分の利用で1割負担なら300円台、40分なら600円台、60分なら1,000円弱、というあたりが目安として挙げられています〔要確認〕。ここに、事業所によっては加算(移動にかかる費用や、集中的なリハビリを行う場合の加算など)が上乗せされることがあります。
医療保険を使う場合も自己負担は1割から3割ですが、年齢や所得によって割合の決まり方が変わります〔要確認〕。
金額は利用する時間や回数、加算の有無で積み上がっていくので、「1回いくら」だけでなく「週に何回で、月にいくらくらいになりそうか」を、事業所に聞いておくと見通しが立てやすくなります。
料金・保険の扱いは、制度改定や地域、ご本人の状態で変わります。実際の金額は、必ず事前に見積もりとして確認してください。
ここが、訪問リハビリを頼むときにいちばん分かりにくいところかもしれません。訪問リハビリには、入口が2つあります〔要確認〕。
どちらも理学療法士たちが家に来てくれる点は同じですが、事業所の性質と、日常的にそばで支えるのが看護師か医師かという点が違います。体調が不安定で医療的なケアも一緒に必要な方は前者、リハビリそのものに専念したい方は後者が向いている、という考え方もできます〔要確認〕。
どちらが向いているかは、担当のケアマネジャーや、入院していた病院の医療ソーシャルワーカーに相談すると、地域にある事業所の中から候補を挙げてもらえます。
家に上がってもらう相手だからこそ、選ぶときの目線を持っておくと安心です。次の5つを、電話や初回のやりとりで見てください。
全部が満点でなくても大丈夫です。でも、「必ず歩けるようになる」と断定してきたり、料金の説明をぼかしたりする相手は、いったん距離を置いていい合図だと思ってください。
では、実際にどう動けばいいのか。入口はとてもシンプルです。
順番に迷ったら、まずはケアマネジャーへの相談から。入院中に相談を始めれば、退院日に合わせてリハビリを空白期間なく引き継げることもあります。
訪問リハビリも、「ケアマネジャー・主治医・事業所」の連携が生命線です。ご家族だけで抱え込まず、退院が決まった時点で早めに動き出すのが、いちばんの近道です。
長くなりました。最後に、これだけ持って帰ってください。
退院後にリハビリが途切れてしまうのは、本人の頑張りが足りないからではありません。続ける手段を知らなかっただけ、ということがほとんどです。生活の場だからこそ組み立てられるリハビリがある、と知るだけでも、退院後の見通しは変わってきます。
今日の1アクションは、これだけです。
次にケアマネジャーさんと話す機会があったら、「訪問リハビリって、うちでも使えますか?」と聞いてみませんか。合わなければ、やめればいいだけです。まずは選択肢があることを、ご本人に、そっと届けてあげてください。
それでは、また。あなたのご家族の毎日が、少しでも動きやすいものになりますように。
【免責事項】
本記事は、訪問リハビリテーションの利用を検討するご家族・ご本人が判断材料を得るための、一般的な情報提供を目的としています。記載内容は執筆時点の情報に基づくもので、医療保険と介護保険の適用条件、自己負担額、医師の指示書の運用、事業所の類型は、地域や時期、制度改定、ご本人の状態によって変わります。本記事はリハビリによる特定の機能回復や症状の改善を保証するものではありません。実際にご利用の際は、主治医・担当ケアマネジャー・各事業所、およびお住まいの自治体や保険者に必ずご確認のうえ、ご自身の判断と責任でお決めください。本記事の利用により生じたいかなる損害についても、著者は責任を負いかねます。
【出典】
著者:秋元進吾